読点の適切な使い方

ライターの皆さんは「読点」を使う際に、どのようなことを意識していますか?
我々が幼いころ読点について学んだ際には、「息継ぎするところ」や「意味の切れ目」などと聞かされませんでしたか?
しかし、実際に自分で文章を執筆する場面になると、正直よくわからないという方が多いのではないでしょうか?


そこで今回は「読点の適切な使い方」について3つの手順でゆっくりみていきたいと思います。


1、文章を文節で区切ろう!


YOSCAのライティングでの読点は、「文章の適切な区切り部分で打つ」としています。


この適切なという部分が、もはや「各々の感覚」になっているのでライターの皆さんも分かりづらい印象だと思います。

そこでまずは、適切な読点を打つために文節で文章を区切っていきます。
まずは下記の文章を見てください。

YOSCAは記事を検文し優良な文章を納品しています。

この文章を文節で区切っていきます。
「文節」は国文法用語ですが、難しく考えることはなく、簡単に説明すると「〜ね」を入れられる場所で切るやり方が最も簡単です!

「YOSCAは」「記事を」「検文し」「優良な」「文章を」「納品しています。」

「YOSCAはね」「記事をね」のように文節で区切ります。
ここで「あれ?」と思った方はするどいです。
残りの文節も「〜ね」をあてはめていくと、「検文しね」「優秀なね」「文章をね」「納品していますね」となりますが、1つだけ違和感がありますね?

そうです「検文しね」というのはなんか変ですよね?
しかし、ここでの「検文し」の「し」は、元来「している」・「やっている」・「行っている」という意味でなので、正確には「検文しているね」となり、これならば違和感はありませんね。

2、文節同士で係っている文節を見る

さて、「〜ね」を使って文章を文節で区切りました。

「YOSCAは」「記事を」「検文し」「優良な」「文章を」「納品しています。」

次は文節同士で「関係が近いもの」を探していきます。
「YOSCAは」
「記事を」
「検文し」
「優良な」
「文章を」
「納品しています。」
今回の文章には、文節が6つあります。それぞれの文節に一番関係が近いものをあてはめていくと、下記のようになります。

「YOSCAは」 → 「検文し」
「記事を」 → 「検文し」
「検文し」 → 「納品しています。」
「優良な」 → 「文章を」
「文章を」 → 「納品しています。」
「納品しています。」 → 「文章を」

上記のようにそれぞれの文節に、一番近い関係で、一番意味がつながる文節を探してみました。

YOSCAは何をしている? → 検文している
記事をどうしている? → 検文している
検文をしてどうする? → 納品しています
優良な何? → 文書
文章をどうする? → 納品しています
納品しています(何を)? → 文章を

というのが、文章全体の意味合いとして筋を通しながら、理想的に文節を区切り、関係性が近いものを並べる方法です。

3、文節の「距離」を見極める!

いよいよ文章に「読点」を打っていきます。
まずは、先ほど文節同士の関係が近いものを探しましたね?
それらを使っていきます。

各文節を文章の先頭から「1〜6」とした場合、
1、「YOSCAは」 → 3、「検文し」
2、「記事を」 → 3、「検文し」
3、「検文し」 → 6、「納品しています。」
4、「優良な」 → 5、「文章を」
5、「文章を」 → 6、「納品しています。」
6、「納品しています。」 → 5、「文章を」

となります。

読点を打つ箇所は、【関係が遠い文節の、前の文節の直後】です。

関係が遠い文節というのは、先ほど「1〜6」の番号を付けましたが、数字が離れていれば離れているほど、文章の中で文節同士の距離も離れていますよね?

例えば
・1、「YOSCAは」 → 3、「検文し」
・2、「記事を」 → 3、「検文し」
を見てみると、
「1」の関係する文節は「3」なので2つ離れていることになります。
「2」の関係する文節は「3」なので1つ離れている(となり)ことになります。


この要領で文章全体を見てみると、一番離れているのが、
3、「検文し」 → 6、「納品しています。」
で3つ離れています。次点が、
1、「YOSCAは」 → 3、「検文し」
になります。


これで「関係が遠い文節」を探しました。あとは「前の文節の直後」に読点を打てばOKです!
3、「検文し」 → 6、「納品しています。」の前の文節は、「検文し」ですので、その直後に読点を打ちます。

「YOSCAは記事を検文し優良な文章を納品しています。」

文章の一文が長い場合など、もう1つ読点を打ちたい時は、次点に挙げた、
1、「YOSCAは」 → 3、「検文し」
を使い、読点を打ちます。

「YOSCAは記事を検文し優良な文章を納品しています。」

しかし今回の文章は短いので、「読点」は1つで良いでしょう。
適切な読点を打った文章は、以下になります。


「YOSCAは記事を検文し、優良な文章を納品しています。」


このように文章の長さや構成によって、読点を増やしたり減らしたりして、文章を読みやすい形に近づけます。
「どうしても読点が打てない!」または「読点が多すぎる!」と感じたら、まずは文章全体を見直しましょう。

適切な読点を打つポイントまとめ

ここまで読点の適切な打ち方をみてきましたが、いかがだったでしょうか?

適切な読点をうつ手順は、
1、文章を文節で区切る
2、文節同士で係っている文節を見る
3、文節の「距離」を見極める
の3点です。

ポイントとしては、
・読点が多いと感じたら、誤読されず分かりやすい範囲で、読点を省く。
・読点を打つのが難しいと感じたら、文そのものを見直す。
といった点も意識すると良いでしょう。

実際の文章に読点を打ってみよう!

では最後に、少し長い文章に読点を打ってみましょう。

「最近のテレビ番組のプログラムの中で食や生活に関する情報番組が数多くあります。」

まず大まかに文節を区切ります。
「最近の」「テレビ番組の」「プログラムの中で」「食や生活に関する」「情報番組が」「数多くあります。」

その後、文節同士の関係を見ながら距離を探ります。
すると、「プログラムの中で」 → 「数多くあります。」が遠いですね。

適切な読点を打った文章は、以下になります。

「最近のテレビ番組のプログラムの中で食や生活に関する情報番組が数多くあります。」



「大きな買い物をするときやネットでのショッピングの支払いにはクレジットカードが便利です。」

まず大まかに文節を区切ります。
「大きな買い物をするときや」「ネットでのショッピングの支払いには」「クレジットカードが便利です。」

その後、文節同士の関係を見ながら距離を探ります。
すると、「大きな買い物をするときや」 → 「クレジットカードが便利です。」が遠いですね。

「大きな買い物をするときやネットでのショッピングの支払いにはクレジットカードが便利です。」


しかし、「大きな買い物をするときや」の直後に読点を打っても、その後ろの文章が長いように感じます。
その際は、次点の「ネットでのショッピングの支払いには」 → 「クレジットカードが便利です。

適切な読点を打った文章は、以下になります。

「大きな買い物をするときやネットでのショッピングの支払いにはクレジットカードが便利です。」にも読点を付けましょう。



「離婚の原因で最も多いのが浮気や不倫などの不貞行為があった場合です。このような場合の離婚ではもちろん慰謝料を請求します。」

この文章は2文で構成されていますので、1文づつ見ていきます。
まず最初の文を、大まかに文節を区切ります。
「離婚の原因で」「最も多いのが」「浮気や不倫などの」「不貞行為が」「あった場合です。」

その後、文節同士の関係を見ながら距離を探ります。
すると、「最も多いのが」 → 「不貞行為が」が遠いですね。


さらに次の文を、大まかに文節に分けます。
「このような場合の」「離婚では」「もちろん慰謝料を」「請求します。」

その後、文節同士の関係を見ながら距離を探ります。
すると、「離婚では」 → 「請求します。」が遠いですね。

適切な読点を打った文章は、以下になります。

「離婚の原因で最も多いのが浮気や不倫などの不貞行為があった場合です。このような場合の離婚ではもちろん慰謝料を請求します。」


ただし、この文章には「あった場合」や「〜場合」などの不要な言葉が多いので、

「離婚の原因で最も多いのが、浮気や不倫などの不貞行為です。このような場合、もちろん慰謝料を請求できます。」


とすると、文章として非常に読みやすくなります。